用語集
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 ここでは地球温暖化の観測・研究・活動に関連する基本用語を集め、簡単に解説しています。
 研究機関・組織名、観測技術・装置・プロジェクト名、 人工衛星やモデルの名前などがあります。
ア行カ行サ行タ行ナ行ハ行マ行ヤ行ラ行|ワ行|

ア行 

アクア衛星(Aqua)
[解説] 地球規模の水循環に関する情報を取得し、地球規模の水とエネルギー循環のメカニズムの解明を通して地球環境問題解決への貢献を目指す、2002年に打ち上げられたNASAの衛星。JAXAが開発した改良型高性能マイクロ波放射計(AMSR-E:アムサー・イー)を搭載する。アクアが取得する水に関する情報としては、海洋からの蒸発量、大気中の水蒸気・雲・降水・土壌水分・海氷・陸氷・雪などがある。また、放射エネルギー量・エアロゾル・植生被覆・植物プランクトン・陸海面の温度のデータも取得する。
[出典] http://www.aero.osakafu-u.ac.jp/as/okamoto/okamoto_new/tango/a_6.htm
アジアフラックス(AsiaFlux)
[解説] アジア陸域における熱・水・二酸化炭素フラックス観測ネットワーク。
[出典] http://www.asiaflux.net/
http://www.niaes.affrc.go.jp/magazine/150/mgzn15005.html
アスター(ASTER)
[解説] NASAの地球観測衛星Terraに搭載され、可視バンドからから熱赤外バンドまでの14のスペクトラムチャンネルを有する高性能光学センサー。地表の地形・地質の詳しいマッピング、植生の分布状況やその変化を把握、火山噴火のモニタリング、雲のタイプ分けや大気中のエアロゾルの特性把握、サンゴ礁のタイプ分けやそのグローバルな分布の把握を行う。経済産業省、NASA、USGSの共同開発。
アルゴ計画(Argo)
[解説] 2000年より、地球全体の海洋変動をリアルタイムで理解するために始まった国際プロジェクト。この計画では、アルゴフロートとよばれる観測機器が、海面から水深2000mまでの間を自動的に浮き沈みし、水温・塩分・流速などを測定している。現在3115台のアルゴフロートが稼動し、深層を除く海洋の全体構造を実況として捉えることが可能となっている。
[出典] http://www.jamstec.go.jp/J-ARGO/index_j.html
http://www.cger.nies.go.jp/publications/news/vol19/vol19-4.pdf#page=8
アルゴリズム(Algorithm)
[解説] 有限回の演算により問題の回答を得ることができるよう、厳密に記述された計算手順。
[出典] 相磯秀夫監修,2001:情報技術用語大辞典,オーム社.
アルベド(albedo)
[解説] 太陽放射が地表あるいは物体によって反射される率であり、普通はパーセントで表現される。地球のアルベドは、主として雲量、雪、氷、葉面積、土地被覆状況の変動で変化する。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/ipcc-ar4-wg2/pdf/IPCC_AR4_WG2_a1.pdf
アロメトリー(Allometry)
[解説] 相対成長にもとづく非比例的成長関係をあらわす言葉(例:生物の全体の大きさと部分の大きさ等)。アロメトリーの関係は、
y=Axh
と表されることが多い。一般的にyは部分(器官)の大きさ、xは他の部分の大きさなどであり、Aとhは定数である。この関係は、森林の生物体量の推定やスケール分析などに用いられる。森林の生物体量の推定の場合には、比較的容易に測定できる変数がx(例:胸高直径等)、直接測定するのが困難な変数が(例:幹・枝・葉・根等の生物体量)yとなる。スケール分析は、生物の大きさが変化すると、生物の形・プロセス(代謝量・行動圏の大きさ等)がどのように変化するかを分析するのに用いられる。
[出典] 八杉龍一,小関治男,古谷雅樹,日高敏隆編,1996:岩波生物学辞典 第4 版,岩波書店.
巌佐庸,松本忠夫,菊沢喜八郎,日本生態学会編,2003:生態学事典,共立出版株式会社.
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インターフェログラム(Interferogram)
[解説] フーリエ変換分光器によって観測された信号。
[出典] http://www.nies.go.jp/kanko/news/26/26-1/26-1-04.html
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渦相関法(Eddy Correlation Method)
[解説] 鉛直方向の風速の変動値と物理量の変動値の積の時間平均値を求めることにより鉛直方向のフラックス(単位時間・単位面積の輸送量)を測定する方法。生態系と大気の間で交換される二酸化炭素量を測定する場合には、超音波風速温度計と赤外線ガス分析計を用いる。鉛直方向の二酸化炭素フラックスは、鉛直方向の風速変動値と二酸化炭素の密度変動値の積の時間平均をとることにより得られる。
[出典] http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2006/pr20060817/
pr20060817.html#b
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エアロゾル(Aerosol)
[解説] 大気中に浮遊している個体あるいは液体の微粒子。地表や海洋から舞い上がるものや工業活動によって排出される煤煙などがある。太陽光の吸収・散乱や雲の生成などに影響する。
[出典] 気象庁,2007:気象業務はいま 2007 情報から始まる防災 正しい知識 確かな情報があなたを守る.
エアロゾルオングストローム指数
[解説] エアロゾルの光学的厚さの波長依存性を表す指数。エアロゾルの粒径分布密接に関係しており、値が大きいほど小粒子が多い粒径分布であることを示す。
[出典] http://157.82.240.167/subjects/aerosol/aerosol3_j.html
エアロゾルの光学的厚さ
[解説] エアロゾルの消散係数(散乱計数と吸収係数を合わせたもの)を大気柱全体(大気上端から地表まで)について積分した値。エアロゾルの粒径分布、複素屈折率とそれらの鉛直分布によって決まる。
[出典] http://www.eorc.jaxa.jp/imgdata/topics/2004/tp041026.html
エアロネット(AERONET)
[解説] 全球的なエアロゾルの地上観測ネットワーク。
[出典] http://aeronet.gsfc.nasa.gov/
永久凍土(えいきゅうとうど)
[解説] 少なくとも一夏をはさむ、二冬以上の間、継続して0℃以下の凍結状態を保った土壌、または岩石や地層。
[出典] 日下哉編, 2002:図解日本地形用語辞典, 東洋書店.
(気候変動の)影響評価 ((Climate Change) Impact assessment)
[解説] 貨幣価値と非貨幣価値の両方またはいずれか一方について、自然および人間システムにおける気候変動の影響を特定および評価する方法。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/ipcc-ar4-wg2/pdf/IPCC_AR4_WG2_a1.pdf
エイロス(ALOS:Advanced Land Observing Satellite; 陸域観測技術衛星「だいち」)
[解説] 2006年に打ち上げられた世界最大級の地球観測技術衛星。3つの地球観測センサーを搭載し、高分解能による立体視可能な画像、面的な地殻変動や土地被覆を捉えることができる。平成23年5月運用終了。
[出典] http://www.gsi.go.jp/johosystem/johosystem40077.html
[参考] http://www.jaxa.jp/press/2011/05/20110512_daichi_j.html
エートレイン (A-Train)
[解説] NASAが行っている、同地点で観測を行う地球観測衛星隊列(Aqua, CALIPSO, CloudSat, Parasol,Aura)で、先頭と最後尾の衛星の頭文字をとってA-Trainと呼ぶ。2012年6月よりA-Trainに日本の第一期水循環変動観測衛星「しずく」(GCOM-W1)が参加し、Aquaの前方で地球を観測している。Update
[参考] http://www.jaxa.jp/press/2012/07/20120702_shizuku_j.html(JAXA)
栄養塩(えいようえん; Nutrient)
[解説] 生物の生命を維持する栄養分として必要とされる無機塩類。有機物の主要構成要素(炭素・水素・酸素)を除く、リン・窒素・カリウム・ケイ素とマンガンなどの微量元素が含まれる。
[出典] 日本陸水学会編,2006:陸水の事典,講談社サイエンティフィク.
エルニーニョ
[解説] 太平洋赤道域の日付変更線付近から南米のペルー沿岸域にかけて海面水温が平年に比べて高くなり、その状態が1年以上続く現象。太平洋熱帯域において、平常時より弱まった東風の影響で西部の暖かい海水が東方へ広がるとともに東部で冷たい水の湧き上がりが弱まることが原因。
[出典] http://www.data.jma.go.jp/gmd/cpd/data/elnino/learning/faq/
whatiselnino.html
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オーラ衛星(AURA)
[解説] 地球のオゾン、大気質および気候について研究するNASAの衛星。4種類の観測装置を搭載しており、互いに補完し合って地球大気のオゾン層、大気質および主要な気候パラメーターの観測を行う。
[出典] http://www.aero.osakafu-u.ac.jp/as/okamoto/okamoto_new/tango/a_10.htm
オートクレーブ(Autoclave)
[解説] 常圧より高い圧力をかけ、水の沸点を100度以上の高温にして液体や器具の減菌を行う釜。
[出典] 八杉龍一,小関治男,古谷雅樹,日高敏隆編,1996:岩波生物学辞典 第4版,岩波書店.
小達データ(Odate Collection)
[解説] 1950年から1990年まで小達和子(おだてかずこ)博士が採集された動物プランクトン生物量。Update
[出典] http://tnfri.fra.affrc.go.jp/tnf/news58/kikou/odate_k.htm
[参考] http://www.st.nmfs.noaa.gov/copepod/data/odate/index.html
(NOAA/COPEPOD)
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カ行 

海面上昇(かいめんじょうしょう; Sea-level rise)
[解説] 海洋の平均水位の上昇。海洋の体積増加によって引き起こされる海水の熱膨張や、氷河・氷帽・氷床の融解によって増加した流出量が海面水位に大きな影響を与えると考えられている。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/ipcc-ar4-wg2/pdf/
IPCC_AR4_WG2_a1.pdf

http://www.data.jma.go.jp/kaiyou/db/tide/knowledge/sl_trend/sl_cont.html
海洋研究科学委員会 作業委員会125
(SCOR WG125:Scientific Committee on Oceanic Research Working Group125)
[解説] 海洋研究科学委員会(SCOR)に存在するひとつの作業委員会。WG125はGlobal Comparisons of Zooplankton Time Seriesについての作業を行う。
[出典] http://wg125.net/
海洋の酸性化 (Ocean acidification)
[解説] 測定可能な酸性度上昇(海洋のpH低下)を引き起こす海水中のCO2濃度の増加。石灰化生物の石灰化速度の低下をもたらす可能性がある。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/ipcc-ar4-wg2/pdf/IPCC_AR4_WG2_a1.pdf
可降水量(かこうすいりょう)
[解説] 大気中にある水蒸気をすべて液体の水にした場合、どれだけの厚みになるかを表した量のこと。
[出典] 日本陸水学会編, 2006:陸水の事典, 株式会社講談社サイエンティフィック.
河川流量(かせんりゅうりょう; Streamflow)
[解説] 河道における流水量。河川流出量 (River discharge)ともいう。流量は、流量観測結果から求められた水位と流量の関係を用いて、水位観測値から算出される。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/ipcc-ar4-wg2/
pdf/IPCC_AR4_WG2_a1.pdf

http://www1.river.go.jp/workbook.html
カラム量(Colum Density)
[解説] 気柱全量。地表の単位面積の直上にある大気全体(気柱)に含まれる気体分子数の総数または乾燥空気の分子に対する比として表される。
[出典] 横田達也編,2004:ILAS-Ⅱ プロジェクトレファレンスブック,国立環境研究所.
http://db.cger.nies.go.jp/ilas/DHF/Manual/refH13/h13refjs3.pdf
カリプソ衛星(CALIPSO: The Cloud-Aerosol Lidar and Infrared Pathfinder Satellite Observation)
[解説] 雲・エアロゾルおよび赤外放射輝度の観測を目的としたNASAの衛星で、2006年から観測を開始している。
カルマンフィルタ(Kalman Filter)
[解説] あらかじめ求めておいた予測式の係数を直近の観測値により最適に補正する、ガイダンスの作成手法の1つ。
[出典] http://www.jma.go.jp/jma/kishou/know/yougo_hp/
shiryo.html#P22
乾性沈着(かんせいちんちゃく; Dry Deposition)
[解説] 大気中の浮遊物質が、物理的あるいは化学的プロセスによって大気から除去され、乾燥した状態で地表や植生、水面などにとりこまれる現象。
[出典] http://www.env.go.jp/earth/dss/report/02/05_2.pdf
涵養域(かんよういき)
[解説] 氷河の年間質量収支(増減量)がゼロになる標高を境とした上流部分。涵養域では、氷河が厚くなるために、質量収支はプラスになる。
[出典] http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/oki/03/index.shtml
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帰化生物(きかせいぶつ)
[解説] 本来の自生地から人為的な原因でほかの地域に入り、その後に自力で生存できるようになった動植物。
[出典] 八杉貞雄, 可知直毅監修, 1971:生物事典, 旺文社.
気候値(きこうち; Climatic Value)
[解説] 気候要素(気温・風・海面水温・積雪量など気候を表現する各種の物理量)の長年の観測データの平均値。
[出典] http://www.science.aster.ersdac.jspacesystems.or.jp/jp/glossary/
jp/ki/climatic_val.html
季節凍土(きせつとうど)
[解説] 1年の内でも限られた期間にできる凍土。
[出典] 国立環境研究所, 「南極・北極の百科事典」委員会編, 2004:南極・北極の百科事典, 丸善株式会社.
輝度(きど; Luminance)
[解説] 単位面積あたりの発光体の明るさを示す言葉。
[出典] 長倉三郎,井口洋夫,江沢洋,岩村秀,佐藤文隆,久保亮五編,2006:岩波理化学辞典 第5版,岩波書店.
揮発性有機化合物(VOC: Volatile Organic Compounds)
[解説] 浮遊粒子状物質および光化学オキシダントの原因の1つで、揮発性を有し、大気中で気体状となる有機化合物の総称。トルエン、キシレン、酢酸エチルなど。
[出典] http://www.env.go.jp/air/osen/voc/voc.html
吸収係数(きゅうしゅうけいすう)
[解説] 光や放射線が物質に吸収されて減衰する割合を表す定数。
[出典] (財)国際科学振興財団編, 2005: 科学大辞典第2版, 丸善株式会社.
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雲凝結核(くもぎょうけつかく; CCN: Cloud Condensation Nuclei)
[解説] 凝結核は水蒸気が凝結するときに芯になる液体または固体粒子で、エートケン核(直径が0.2μm以下)、大核(0,2~1.0μm)、巨大核(1μm以上)に分けられ、雲核には大核以上の吸湿性粒子がなる。
[出典] (財)国際科学振興財団編, 2005: 科学大辞典第2版, 株式会社丸善.
クラウドサット衛星(CloudSat)
[解説] 94GHz帯で雲を観測するレーダーを搭載したNASAの衛星で、2006年から観測を開始している。
[出典] http://www.isas.jaxa.jp/j/researchers/symp/2009/image/
0226_proc/1-1.pdf
グレース衛星(GRACE:Gravity Recovery and Climate Experiment)
[解説] 太陽極大期に併せて同一軌道上に数百kmの間隔をあけて2002年に打ち上げられた「GRACE-A」と「GRACE-B」の2つの衛星で、それぞれの位置と衛星間の距離の測定によって互いの衛星の速度変化を測定し、その揺るぎから精密な重力場を測定をすることを目的としている。
[出典] http://www.satnavi.jaxa.jp/basic/glossary/g.html
グローバル・イメージャ(Global Imager: GLI)
[解説] 陸域、海域、地球表面および雲からの太陽反射光・赤外放射光を観測し、表面温度、植生分布、雪氷アルベドなどの物理量を測定するための光学センサーで、地球の大気から地表面を同時かつ高精度に観測することが可能。
[出典] http://suzaku.eorc.jaxa.jp/GLI/ov/sensor_j.html
クロロフィル濃度(Chlorophyll Concentration)
[解説] 葉緑素・植物の葉緑体内に存在し、光合成に関する緑色色素の濃度。
[出典] 環境省地球環境局監修,2004:和英・英和国際総合環境用語集,日刊工業新聞社.
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決壊洪水(けっかいこうずい; GLOF: Glacial Lake Outburst Flood)
[解説] 氷河湖(氷河の浸食・堆積作用によって形成された凹地に湛水したもの)が小氷期のモレーンを破って決壊した、氷河湖決壊洪水。
[出典] http://www.lowtem.hokudai.ac.jp/newsletter/no8/yamada.html
http://www.chikyu.ac.jp/shiraiwa/glaciology/Terminology.htm
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光化学オキシダント(Ox)
[解説] 大気中に排出された窒素酸化物と炭化水素が、紫外線により光化学反応を起こし、オゾンを主成分として酸化性物質(オキシダント)が生成される。オキシダントのうち、二酸化窒素を除いたものを光化学オキシダントといい、光化学スモッグの原因となる。
[出典] http://www.city.yokohama.lg.jp/kankyo/mamoru/kanshi/worda/ox.html
光合成総生産量(Gross Primary Production)
[解説] 生態系が光合成で生産した有機物の総量。吸収した炭素量に換算して表される。
[出典] 桑形恒男,渡辺力,三枝信子,2007:大気と陸域生態系の相互作用 -水と二酸化炭素の交換過程に着目して-,天気,54(3),203-206.
光合成窒素利用効率
[解説] 窒素あたりの光合成能力のことで、種を特殊づける性質の1つとして利用されている。
[出典] 巌佐庸, 松本忠夫, 菊沢喜八郎, 日本生態学会編, 2003:生態学事典, 共立出版株式会社.
光合成有効放射(Photosynthetically Active Radiation)
[解説] 緑色植物の光合成に有効な波長範囲(およそ400nm-700nm)に含まれる放射。この波長範囲の光量子のフラックスで示される。
[出典] 日本陸水学会編,2006:陸水の事典,講談社サイエンティフィク.
高速フラッシュ励起蛍光(First Repetition Rate Fluorescence)
[解説] 海洋一次生産を測定する方法。海水中に浮遊している植物プランクトンに、青色光を高速で点滅照射して得られる蛍光の時間的変動を捕らえることで、海洋一次生産を測定する。培養実験を行う必要がないという特徴をもつ。
後方散乱(こうほうさんらん)
[解説] 最初の運動方向に対して90度以上の角をなす散乱過程による粒子または放射の偏向。
[出典] 太田次郎監訳, 1999: 科学・技術大百科事典<上>, 株式会社朝倉書店.
コスペクトル(Cospectrum)
[解説] 2つの変動量の相互相関に関して、周波数別の寄与を表す関数。
[出典] 吉野正敏,河村武,新田尚,浅井富雄,設楽寛,前島郁雄編,1986:気候学・気象学辞典,二宮書店.
コドラート(Quadrat)
[解説] 定量的に生物の分布量を調査するために設定される単位区域(方形区)。50cm×50cmあるいは100 cm×100 cmの方形枠を用いるのが一般的。
[出典] 日本陸水学会編,2006:陸水の事典,講談社サイエンティフィク.
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サ行 |ソ|

サンゴ (Coral)
[解説] Scleractinia目生物の一般的な呼び名で、硬い石灰石のからを持っており、造礁と非造礁、冷水性と暖水性のサンゴに分けられる。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/ipcc-ar4-wg2/pdf/
IPCC_AR4_WG2_a1.pdf
サンゴ礁 (さんごしょう; Coral reefs)
[解説] サンゴによって作られた炭酸カルシウムで作られた岩のような石灰石の構造体で、海岸線に沿ってできる裾礁、浅く水に浸かった斜面の上部あるいは陸棚面にできる堡礁・環礁がある。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/ipcc-ar4-wg2/pdf/
IPCC_AR4_WG2_a1.pdf
サンゴの白化 (さんごのはっか; Coral bleaching)
[解説] サンゴがエネルギーを提供してくれる共生生物を失った場合に、結果として色がなくなること。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/ipcc-ar4-wg2/pdf/
IPCC_AR4_WG2_a1.pdf
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CISLiNet(Commonwealth of Independent States Lidar Network)
[解説] 独立国家共同体域においてエアロゾルとオゾンの観測技術の向上とライダーネットワークの構築を目的として作られたネットワーク。
[出典] http://www.cis-linet.basnet.by/
ジャパンフラックス(JapanFLUX)
[解説] 日本の陸域炭素収支観測綱。AsiaFlux(アジア域での二酸化炭素収支観測ネットワーク)の国内サブネットワークとして2006年12月に発足。
[出典] http://www.japanflux.org/
閾値(しきいち; Threshold)
[解説] あるシステムのプロセスにおいて、それを越えると突然にあるいは急激に変化が生じる水準。生態学的、経済学的、あるいはその他のシステムにおいて、新しい特性が出現し、それまでの低い水準では適用できた数学的関係に基づく推測が意味をなさなくなる点または水準。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/ipcc-ar4-wg2/pdf/
IPCC_AR4_WG2_a1.pdf
湿性沈着(しっせいちんちゃく)
[解説] 大気中の浮遊物質が、物理的あるいは化学的プロセスによって大気から除去され、雲核になったり雨粒に取り込まれた後沈着したりする現象。
[出典] http://www.env.go.jp/earth/dss/report/02/05_2.pdf
重量充填法(じゅうりょうじゅうちんほう; Gravimetric Method)
[解説] 標準物質(ガスおよび液体)調整のひとつの方法。質量比混合法とも呼ばれる。標準ガスを調整する各過程(真空状態・成分ガス充填後・希釈ガス充填後)で、高圧ガス容器の質量を天秤で秤量し、各成分の充填質量を求め、これから質量比濃度を算出する。
[出典] http://www.mri-jma.go.jp/Publish/Technical/DATA/VOL_43/43_023.pdf
樹冠率(じゅかんりつ; Canopy Cover)
[解説] 真上から見たときに樹冠(樹木の枝と葉が集まっている部分)が地表に対して占める割合。
[出典] http://www.jca.apc.org/jatan/words.html
蒸発散(じょうはっさん; Evapotranspiration)
[解説] 地表面からの水の蒸発と植生からの蒸散が合わさった過程。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/ipcc-ar4-wg2/pdf/
IPCC_AR4_WG2_a1.pdf
消耗域(しょうもういき)
[解説] 年間の氷河の質量収支(増減量)がゼロになる標高を境に、下流部分のこと。消耗域では氷河が融けるため、氷河の年間質量収支はマイナスとなる。
[出典] http://premium.nikkeibp.co.jp/em/column/oki/03/index.shtml
植生指数(しょくせいしすう; Vegetation Index)
[解説] 地球観測衛星のデータを利用し、グローバルな植生の状況(植生の有無・多少・活性度等)を把握するために使われる指数。代表的なものに正規化植生指数(NDVI: Normalized Difference Vegetation Index)がある。NDVIは、植生の持つ特性(植物の緑葉は赤・青領域の波長を吸収し、近赤外線領域の波長を強く反射する)を生かし、以下のように求める。
植生指数=(近赤外波長-赤波長)/(近赤外波長+赤波長)
[出典] http://www.agri.hro.or.jp/center/syuppan/a_rimosen/sld008.htm
純一次生産量(じゅんいちじせいさんりょう; NPP: Net Primary Production)
[解説] 光合成により生産される有機物生産を総一次生産、それから植物の呼吸量を差し引いた量を純一次生産量という。
[出典] 巌佐庸, 松本忠夫, 菊沢喜八郎, 日本生態学会編, 2003:生態学事典, 共立出版株式会社.
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水位流量曲線(すいいりゅうりょうきょくせん)
[解説] 観測地点の水位(H)と流量(Q)の関係をグラフ化したもので、観測した水位に対する流量を算出するために用いられ、水文データ整理、流出解析、危機管理の資料として活用される。
[出典] http://www.skr.mlit.go.jp/kasen/mizu/yougo/sect07.htm
スカイネット(SKYNET)
[解説] 大気におけるエアロゾル-雲-放射の相互作用の観測ネットワーク。観測点はモンゴルからタイまでの日本を含む東アジア域にある。
[出典] http://atmos.cr.chiba-u.ac.jp/
スペクトル
[解説] 可視光線をプリズムに当てた際にできる、各色に分かれた光の帯のことで、通常横軸に波長や周波数を取り、縦軸に電磁波の強さをとって表される。
[出典] http://wwwj.vsop.isas.jaxa.jp/yougo/k02_spectral.html
スポットヴェジテーション(SPOT-VEGETATION)
[解説] SPOT IMAGE社の人工衛星に搭載されているセンサー(VEGETATION)。青・赤・近赤外・短波長赤外の4バンドを持ち、地上空間分解能1km の画像が撮影できる。
[出典] 近藤昭彦,鈴木力英,2005:ユーラシア大陸北部の積雪域マッピングと積雪域の年々変動,水文・水資源学会誌, 18(6),696-703.
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正規化水指数(NDWI: Normalized Difference Water Index)
[解説] 地表面における水の存在と深い関連をもつ指標の1つで、赤波長(R)と中間赤外波長(SWIR)を用いて、(R-SWIR)/(R+SWIR)で計算される。NDWIが高いときは表面が帯水状況にあると判断される。
[出典]

http://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/259973/www.hkd.mlit.go.jp/
zigyoka/z_nogyo/remote/r-8.pdf

生態系呼吸量 (Ecosystem Respiration)
[解説] 植物・土壌の呼吸に伴う二酸化炭素放出量。植物が生命活動に必要なエネルギーを得るために、酸素を吸収して二酸化炭素を放出している量(独立栄養的呼吸)と、微生物による土壌有機物の分解に伴って二酸化炭素を放出している量(従属栄養的呼吸)を合わせた量。
[出典] 桑形恒夫,渡辺力,三枝信子,2007:大気と陸域生態系の相互作用 -水と二酸化炭素の交換過程に着目して-, 天気,54(3),203-206.
http://www.agr.hokudai.ac.jp/env/grassland/pdf/10.pdf
生態系純生産量(Net Ecosystem Production)
[解説] 光合成総生産量(GPP)から植物体(葉・枝・幹・根)の呼吸による消費量を引いた量。
[出典] 日本陸水学会編,2006:陸水の事典,講談社サイエンティフィク.
生物多様性(せいぶつたようせい; Biodiversity)
[解説] すべての生物体と様々な空間的スケールの生態系の総多様性(遺伝子レベルからバイオーム(生物群系)全体まで)のこと。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/ipcc-ar4-wg2/pdf/
IPCC_AR4_WG2_a1.pdf
積雪水量(せきせつすいりょう; Snow water equivalent)
[解説] ある特定の雪あるいは氷の塊が溶けて生じ得る水に相当する体積、質量。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/ipcc-ar4-wg2/pdf/
IPCC_AR4_WG2_a1.pdf
全炭酸(ぜんたんさん; Total Carbonic Acid)
[解説] 水中に存在する炭酸・炭酸水素イオン・炭酸イオンの合計量をいい、総二酸化炭素の量として表示する。
[出典] 荒木 俊,沼田 眞,和田 攻編,1985:環境科学辞典,東京科学同人.
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タ行 |ツ|

大気混濁係数(たいきこんだくけいすう)
[解説] 空気分子のみの仮想的な大気の光学的厚さに対する実際の大気の比率を表わす指標で、直達日射瞬間値から算出する。
[出典] http://www.data.kishou.go.jp/obs-env/cdrom/report/html/4_5.html
多波長光学放射計(Global Imager:GLI)
[解説] ADEOS(みどり)に搭載されたOCTS (Ocean Color and Temperature Scanner:海色海温走査放射計)センサーで実証された海洋観測チャンネルに加え、陸・大気・雪氷を観測するチャンネルを多数有し、宇宙から地表面を同時かつ高精度に観測することが可能な光学センサー。
[出典] http://suzaku.eorc.jaxa.jp/GLI/ov/sensor_j.html
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地球観測サミット(Earth Observation Summit)
[解説] 2002年9月ヨハネスブルグ(南アフリカ)で開催された持続可能な開発に関する世界首脳会議(WSSD)で採択されたヨハネスブルグ実施計画において、地球観測の国際的協力の重要性が確認され。それを受けて、2003年6月にフランスで開催されたG8エヴィアンサミットにおいて、小泉総理大臣(当時)の提唱により、地球観測サミット(閣僚級会合)の開催が合意された。地球観測サミットはこれまで4回開催され、2005年2月16日にベルギーのブリュッセルで開催された第3回地球観測サミットにおいてGEOSS 10年実施計画が採択された。その後、国際調整メカニズムとして、74か国、欧州委員会、51機関(2008年10月現在)が参加しているGEO(事務局をジュネーブに設置)が設立された。GEOでは、サミットを1~3年に1回、本会合を毎年、執行委員会を年に3回程度開催している。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/publications/news/vol20/vol20-1.pdf#page=5
窒素酸化物(ちっそさんかぶつ; NOX ノックス)
[解説] 窒素の酸化物の総称で、光化学オキシダントの原因物質であり、酸性雨の原因にもなっている。一酸化窒素、二酸化窒素、一酸化二窒素、三酸化二窒素、五酸化二窒素などが含まれる。
[出典] http://www.eic.or.jp/ecoterm/?act=view&ecoword=%C3%E2%
C1%C7%BB%C0%B2%BD%CA%AA
中分解能分光放射計(Moderate Resolution Imaging Spectrometer:MODIS)
[解説] NASAの地球観測衛星Terra/Aquaに搭載されているNASA/GSFCにより開発された光学センサーの名称。
[出典] http://www.eorc.jaxa.jp/hatoyama/satellite/sendata/modis_j.html
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(気候変動に対する)適応(てきおう; Adaptation)
[解説] 実際のもしくは予想される気候による刺激あるいはその影響に対する自然界もしくは人間システムの調整作用で、これにより被害を軽減もしくは便益の機会を活用する。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/ipcc-ar4-wg2/pdf/
IPCC_AR4_WG2_a1.pdf
(気候変動に対する)適応能力(てきおうのうりょく; Adaptability)
[解説] 気候変動に適応し、被害の可能性を軽減し、機会を生かし、影響に対処するシステムの能力。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/ipcc-ar4-wg2/pdf/
IPCC_AR4_WG2_a1.pdf
データスキーマ(Data Schema)
[解説] 一つのファイルのデータ構造およびその表現法を記述したもの。また、これらの記述が格納されているファイルの呼称。
[出典] 情報処理用語大事典編集委員会編,1992:情報処理用語大事典 ,オーム社.
デジタルフィルタ(Digital Filter)
[解説] 観測された信号から目的とする信号成分を取りだすために使われるフィルタ。アナログフィルタと比べ安定、高精度であるが、回路が複雑で速度制限がある。
[出典] 情報処理用語大事典編集委員会編,1992:情報処理用語大事典,オーム社.
http://dsl4.eee.u-ryukyu.ac.jp/DOCS/dsp.pdf
テラ衛星(Terra)
[解説] アメリカNASAの提供した雲・地球放射エネルギー観測装置(CERES)2台、MISR(複数角度分光放射計)、中分解能撮像分光放射計(MODIS)、日本の開発した高性能熱放射反射放射計(ASTER)およびカナダ宇宙機関の開発した対流圏汚染観測装置(MOPITT)を搭載している地球観測衛星。
[出典] http://www.aero.osakafu-u.ac.jp/as/okamoto/okamoto_new/
tango/t_1.htm
電位差滴定(でんいさてきてい; Potentiometric Titration)
[解説] 当量点付近における電極電位の変化から終点を判定する滴定。電気滴定のひとつ。
[出典] 長倉三郎,井口洋夫,江沢洋,岩村秀,佐藤文隆,久保亮五編,2006:岩波理化学辞典 第5版,岩波書店.
デング熱(Dengue fever)
[解説] カによって広がるウイルス感染症で、関節と背中の激しい痛みが特徴であるため、しばしば骨折熱とよばれる。それに引き続きウイルス感染は、致命的になり得るデング出血熱およびデング熱ショック症候群に進むこともある。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/ipcc-ar4-wg2/pdf/
IPCC_AR4_WG2_a1.pdf
電磁誘導センサー(Electromagnetic Induction Sounding)
[解説] 海氷の厚さを計測するために使われるセンサー。センサーの一端から電波を発し、氷の底面に誘導磁場を生成し、発せられた誘導電波をセンサーのもう一方のレシーバによって受信し、その強度からセンサーから氷の底面までの距離を測定する。センサーから氷までの距離はレーザー型距離計により計測する。氷の厚さはこの両者の差を求めることにより得られる。
[出典] http://www.nmri.go.jp/fluids/topics/Antarctic_ice_thickness.htm
電量滴定(Coulometric Titration)
[解説] 定電流によって電解生成物を生じさせ、その電流値と目的物質がすべて反応する終点までの時間から目的物質の定量を行う滴定方法。目的とする試料物質が電極で直接反応を起こさず、電極で生成した物質と試料物質が溶液内で反応する場合には、形式上普通の滴定に似ているので電量滴定と呼ばれる。
[出典] 大木道則,大沢利昭,田中元治,千原秀明編,1995:化学辞典,東京化学同人.
長倉三郎,井口洋夫,江沢洋,岩村秀,佐藤文隆,久保亮五編,2006:岩波理化学辞典 第5版,岩波書店.
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トップダウン手法(Top down approach, 地球物質循環科学)
[解説] 温室効果ガスである二酸化炭素やメタンなどの地球全体あるいは地域の収支を、大気の観測から算出する方法、酸素濃度減少量の観測から二酸化炭素収支を算出する方法などである。主な手法に、全球の大気二酸化炭素濃度やメタン濃度などの分布や時間変動から、大気輸送モデルと逆解析法を用いて、地域ごとの二酸化炭素やメタンなどの吸収・排出量を算出する方法、大気酸素濃度減少量(酸素と窒素の比から測定)から、既知のプロセス(化石燃料燃焼時の酸素消費量、陸域生物圏による光合成に伴う酸素放出量、海洋による二酸化炭素吸収で酸素が変化しないこと、海洋温暖化による酸素放出など)を組み込んだ計算式を用いて二酸化炭素収支を算出する方法などがある。
[出典] http://www.lowtem.hokudai.ac.jp/newsletter/no8/yamada.html
http://www.chikyu.ac.jp/shiraiwa/glaciology/Terminology.htm
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二酸化炭素分圧(Partial Pressure of Carbon Dioxide)
[解説] 大気海洋間での二酸化炭素の放出・吸収量を定量的に扱うために濃度の単位を圧力の単位に変換したもの。
[出典] http://www.data.jma.go.jp/kaiyou/db/co2/knowledge/observation.html
ニンバス衛星(NIMBUS)
[解説] 1964年に初めて打ち上げられた気象衛星のシリーズで、大気のリモートセンシングをテストするために作られた。
[出典] http://www.geog.ucsb.edu/~jeff/115a/history/nimbus1.html
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バイオマス(現存量; Biomass)
[解説] 一定の面積もしくは体積における生物体の総量。バイオマスの量は乾燥重量またはエネルギー量、炭素や窒素量で表される。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/ipcc-ar4-wg2/pdf/
IPCC_AR4_WG2_a1.pdf
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ppb(ピーピービー; parts per billion)
[解説] 体積の十億分率。1ppm = 1000ppb。 大気中のメタン濃度など、濃度レベルが低い場合に用いられる。
[出典] http://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/chishiki_ondanka/p06.html#rem
ppm(ピーピーエム; parts per million)
[解説] 体積の百万分率。
[出典] http://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/chishiki_ondanka/p06.html#rem
http://www.data.jma.go.jp/kaiyou/db/co2/knowledge/observation.html
ヒステリシス
[解説] 2つの物理量が互いに関連していて、一方の増減が他方の増減に依存している場合に見られる現象。
[出典] 山崎昶訳, 2009: オックスフォード科学辞典, 株式会社朝倉書店.
必須気候観測要素(ECVs: Essential Climate Variables)
[解説] 技術的にも経済的にも総合観測においては実行可能な項目で、気象分野では気温、放射収支、エアロゾル特性等、海洋分野では海面温度、塩分濃度、二酸化炭素分圧等、陸域分野では河川流量、アルベド、LAI等、44項目と新項目としての土壌水分量からなる。
[出典] http://www.wmo.int/pages/prog/gcos/index.php?name=
EssentialClimateVariables
氷晶核(ひょうしょうかく; ice nuclei)
[解説] 氷晶の形成の元となる粒子のことで、大きさ0.2~0.7μmの粘土鉱物等が主な成分である。
[出典] 日本陸水学会編, 2006:陸水の事典, 株式会社講談社サイエンティフィック.
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フィードバック(Feedback)
[解説] プロセス間の相互作用メカニズム。最初の過程が次の過程の変化を引き起こした時に、それが今度は最初の過程に影響を与える。正のフィードバックは最初の過程を強め、負のフィードバックはそれを弱める。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/ipcc-ar4-wg2/pdf/
IPCC_AR4_WG2_a1.pdf
フェイズシフト
[解説] ここでは、環境ストレスにより、サンゴ礁が藻場に変わってしまうこと(生態系の相転移)。
[出典] http://www-sys.eps.s.u-tokyo.ac.jp/~coral/profile/profile02.html
フェノロジー(Phenology, 生物季節、生物季節学)
[解説] 周期的にくり返し起こる自然現象とその気候や季節変化との関係についての研究。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/ipcc-ar4-wg2/pdf/
IPCC_AR4_WG2_a1.pdf
複素屈折率(ふくそくっせつりつ)
[解説] 吸収を伴う媒質の屈折率で、電磁気学における複素誘電率に対応する。複素屈折率虚数部の値が大きいほど光の吸収が強い。
[出典] http://www.env.go.jp/earth/dss/report/02/05_2.pdf
腐食連鎖(ふしょくれんさ)
[解説] 生物体の破片、死骸、排出物ならびにそれらの分解物の摂食から始まる食物連鎖。
[出典] 日本陸水学会編, 2006:陸水の事典, 株式会社講談社サイエンティフィック.
フラウンフォーファー線(Fraunhofer Lines)
[解説] 太陽スペクトルに現れる吸収線。フラウンフォーファーによって発見された。光球から放射された連続光が彩層下部の種々の原子やイオンに吸収されるため暗線(吸収線)としてみえる。
[出典] 長倉三郎,井口洋夫,江沢洋,岩村秀,佐藤文隆,久保亮五編,2006:岩波理化学辞典 第5版,岩波書店.
ブラックカーボン(BC:黒色炭素)
[解説] 石炭やディーゼルエンジン、薪などの生物燃料、バイオマスバーニングなどの不完全燃焼から放出される、すすの一種のエアロゾル。
[出典] http://www.data.jma.go.jp/gmd/env/radiation/know_adv_rad.html#box2
プロット(Plot)
[解説] 生態学調査を行う際に設定する小区画の土地。
[出典] http://forests.world.coocan.jp/fvdb/yougo.html
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偏光解消度(へんこうかいしょうど)
[解説] 偏光(光の振動ベクトルの方向が規則的なもの)が散乱により変わる割合。球形の散乱の場合、偏光は変わらないので、エアロゾルの非球形の指標となる。
[出典] http://www.env.go.jp/earth/dss/report/02/05_2.pdf
ベントス
[解説] 水底に生息する生物、すなわち底生生物の総称。基質表面に生息する表在性ベントスと内部に生息する埋在性ベントスに分けられる。
[出典] http://www.jfa.maff.go.jp/j/gyoko_gyozyo/g_hourei/pdf/sub75c.pdf
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飽差(ほうさ; Vapor Pressure Deficit)
[解説] 同一温度に対する飽和水蒸気圧と実際の蒸気圧との差。
[出典] 和達清夫監修,1993:気象の辞典,廣済堂.
放射強制力(ほうしゃきょうせいいりょく; Radiative forcing)
[解説] 対流圏界面における正味鉛直放射量の変化で、二酸化炭素濃度やエアロゾル、太陽出力の変化など気候システムの強制力の内的あるいは外的な変化に由来する。m2当たりのワット数で表される(W/m2)。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/ipcc-ar4-wg2/pdf/
IPCC_AR4_WG2_a1.pdf
北極振動(ほっきょくしんどう; Arctic Oscillation:AO)
[解説] 冬季北半球大気循環場の変動に卓越するパターンであり、北緯約60度を境に、南北に気圧場が逆相関をもつもの。
[出典] http://www-arctic.nipr.ac.jp/newslt06/060110nl_5/060110nl_5.html
ボトムアップ手法(Bottom up approach, 地球物質循環科学)
[解説] 地球全体あるいは地域の温室効果ガス収支を、陸域・海域における二酸化炭素・メタン等の収支観測、国や地域の排出量統計を集約して算出する方法である。陸域においては、二酸化炭素・メタン等の収支を微気象学的手法もしくは生態学的手法による観測を行った結果と衛星観測による土地利用情報などを用いて広域の収支を算出する。海洋においては、船舶により海洋ならびに洋上大気の二酸化炭素と風速等の観測結果から海洋の二酸化炭素収支を算出する。各国の温室効果ガス排出量は、化石燃料消費、産業・農業の活動などの統計を用い、気候変動枠組条約に基づく報告書なども参考にしながら積算する。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/publications/news/vol20/vol20-1.pdf#page=3
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毎木調査(まいぼくちょうさ)
[解説] 調査区域内のすべての木について行う樹種や樹高、直径などの調査。
[出典] http://www.pref.hokkaido.lg.jp/sr/dyr/doyurinka/goroku.htm#まいぼくちょうさ
マラリア(Malaria)
[解説] Plasmodium属(原虫)のいくつかの種が原因となって発生し、Anopheles属のカによって伝染する風土性もしくは流行性の寄生虫病;高熱発作と全身性疾患を引き起こす。毎年、世界で約3億人が羅患し、約200万人が死亡している。
[出典] http://www.cger.nies.go.jp/ja/library/ipcc-ar4-wg2/pdf/
IPCC_AR4_WG2_a1.pdf
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ミー散乱
[解説] 球形の微粒子による光の散乱現象で、空気中のエアロゾルや雲による光の散乱がこの例である。微粒子の直径が光の波長に比して十分小さいときは、レイリー散乱と一致する。
[出典] (財)国際科学振興財団編, 2005: 科学大辞典第2版, 丸善株式会社.
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メタデータ(Meta Data)
[解説] データの意味を記述あるいは代表するデータ。
[出典] 長尾 真,稲垣 康善,辻井 潤一,中田 育男,石田 晴久,田中 英彦,所 真理雄,米沢 明憲編,1990:岩波情報科学事典,岩波書店.
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モニタリングサイト1000(Monitoring site 1000)
[解説] 「新・生物多様性国家戦略」に基づいて実施される長期的な生態系モニタリング。環境省自然環境局生物多様性センターが担当している。
[出典] http://www.biodic.go.jp/moni1000.html
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ヨウ化カリウム法(KI法)
[解説] 地上オゾンの濃度基準を決定する方法(2002年3月末まで使われた)。KI法(ヨウ化カリウム溶液の作成、基準ヨウ素溶液の希釈など計量作業が多く行われる)は、基準との比較ではなく、較正作業そのものが絶対濃度を決定するものであった。専門的な化学分析技術を必要とした。
[出典]

http://www.data.jma.go.jp/gmd/env/ghg_obs/kousei/calib_sfco3.html

葉面積指数(ようめんせきしすう; Leaf Area Index)
[解説] 単位土地面積ごとの全葉面積の合計値。
[出典] 日本陸水学会編,2006:陸水の事典,講談社サイエンティフィク.
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ラ行

ラマン散乱
[解説] 単色光を物質に入射したとき物質中の分子振動あるいは固体の格子振動を励起あるいは吸収して、そのエネルギーの分だけ周波数が低くあるいは高くなった散乱光を生じる現象。
[出典] (財)国際科学振興財団編, 2005: 科学大辞典第2版, 丸善株式会社.
ランチョスフィルタ(Lanczos Filter)
[解説] 長期変動成分を求めるためのデジタルフィルタの一つ。
[出典] http://www.jma.go.jp/jma/kishou/books/sokkou/76/vol76p207.pdf#8
ランドサット(Landsat)
[解説] アメリカの打ち上げた地球資源観測衛星。
[出典] http://landsat.gsfc.nasa.gov/
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リグニン
[解説] 木材、タケ、ワラなどの木化した植物体を構成する主成分の1つ。
[出典] (財)国際科学振興財団編, 2005: 科学大辞典第2版, 丸善株式会社.
リモートセンシング(Remote Sensing)
[解説] 直接的に対象物に触れることなく、対象物の物理・化学的特性を計測すること。
[出典] 和達清夫監修,1993:気象の辞典,廣済堂.
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ルルベデータ(Releve Data)
[解説] 日本全国のルルベ(植物社会学的調査法による植生調査区)で集められたデータ。
[出典] http://ss.ffpri.affrc.go.jp/labs/prdb/index.html
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レイリー散乱
[解説] 入射光によって誘起される散乱体中の分極変化が、1つの電気双極子をみなせるときの光散乱現象。空気分子、水分子、極めて小さいエアロゾルによって発現する散乱現象で、分子散乱とも呼ばれており、青空、夕焼け、水の青さなど自然における光学現象の発生原因となっている。
[出典] (財)国際科学振興財団編, 2005: 科学大辞典第2版, 丸善株式会社.
レッド (REDD)
[解説] 開発途上国における森林の減少や劣化を回避することで温室効果ガスの排出を削減するプロジェクトで、Reduction of Emissions from Deforestation and Forest Degradationの略。2005年開催の国連気候変動枠組条約第11回締約国会議(COP11)において、パプア・ニューギニアとコスタリカが共同で提案したのをきっかけとして、2007年のCOP13でREDDが明記され、締約国によるREDDの取組の支援が開始された。
[出典] http://www-iam.nies.go.jp/climatepolicy/pdf/climate_briefnote_no7.pdf
レッドプラス(REDD+)
[解説] 途上国の森林減少・森林劣化に由来する排出削減(REDD)に、森林の保全や持続可能な森林経営及び森林の炭素ストックの向上を加えた概念。2008年から議論が始まり、2009年のCOP15でREDD+が明記された。
[出典] http://www.env.go.jp/press/press.php?serial=12267
レフュージア
[解説] 生物の避難場所・環境
[出典] http://www.env.go.jp/earth/ondanka/rc_eff-adp/report/part2chpt4.pdf
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ローパスフィルタ (Low-pass Filter)
[解説] 任意の周波数以下の成分だけを通過させるフィルタ。
[出典] 情報処理用語大事典編集委員会編,1992:情報処理用語大事典 ,オーム社.
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